輸血療法

看護技術
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輸血療法は、一般的には血中のヘモグロビンが6g/dl以下になったら考慮します。しかし、患者さんによっては、7g/dlでも行うことはありますし、例えば消化管出血や手術などで、どんどん出血している場合には緊急で行ったりもします。予定で行う場合と緊急で行う場合は、患者さんの容態も、観察項目もかわってきます。ここではまず、基本的な手順と留意点を述べていきますね。

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必要物品

輸血用血液製剤 輸血セット(RCC・FFP用、血小板用があります) 静脈留置針(18Gまたは20G) 消毒綿 駆血帯 絆創膏 ルート確保用の輸液(医師の指示ですが、生理食塩液が多いです) クロス用患者血液(専用のクロスマッチスピッツ用意) ディスポ手袋 輸血同意書 擦式消毒用アルコール製剤 使用後の輸血運搬用ボックス

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方法と留意点

輸血指示受けから血液持ち帰りまで

  1. 輸血の指示を受け、確認事項をチェックする
    まず、カルテIDと氏名の確認をし、同姓同名に注意した上で、血液型を確認する
    ①患者氏名 ②患者ID ③生年月日 ④血液型ABO式とRh式 ⑤輸血の種類・血液 ⑥クロスマッチオーダーの有無 ⑦使用予定日 ⑧輸血同意書の有無 ⑨輸血時のルートの有無
  2. 交差適合試験を行うため、採血を行い、検体を輸血管理室に提出する。

    交差適合試験は不適合輸血を防ぐために行います。輸血前検査として,溶血性輸血副作用防止の重要な検査です!

  3. 交差適合試験の結果報告を受ける。
    病院によってはFAXで交差適合試験結果が送られてきます。再度 この患者で間違いないかを確認し、その結果用紙を持って輸血管理室へ血液製剤を取りに行きます。
  4. 輸血管理室で血液製剤を受けとる。
    患者氏名、血液型、製剤名、製剤番号、有効期限を検査技師と確認する。
  5. 血液搬送用バックに入れ、血液を持ち帰る。

    原則、病棟に持ち出した血液は輸血管理室に返納できません。輸血開始直前に輸血管理室から取り寄せましょう。病棟に持ち出した後に使用しない場合は輸血管理室に返納し、輸血管理室での廃棄処理を依頼しましょう。

照射赤血球濃厚液(Ir-RCC-LR)
・ 貯法:2~6℃
・ 有効期間:採血後21日
新鮮凍結血漿(FFP)
・ 貯法:-21℃以下
・ 有効期間:採血後1年間
照射濃厚血小板(Ir-PC-LR)
・ 貯法:20~24℃で振盪保存
・ 有効期間:採血後4日間

輸血準備

  1. 手洗いまたは擦式消毒用アルコール製剤を使用し、手指衛生を行う。
  2. 医師または看護師で患者認証業務画面を開き、患者のバーコードを読み取り、製剤バッグのバーコード、(血液型・製剤番号・ロット番号)を読み込み、間違いがないことを確認する。
  3. 医師、看護師の氏名を入力し、実施入力を行う。
  4. 手袋を装着し、血液バックを上下左右に静かに振盪する。
  5. 血液バックのプロテクターのいずれか一方を強く引いて切り輸血口を露出させる。
    プロテクターの根元部分は輸血口に血液が滞りやすいので軽くもみましょう。
  6. 血液バックを処置台に起き、クレンメを完全に閉じた状態で輸血セットのプラスチック針を輸血口に垂直に差しこみ、根元まで入れる
  7. 輸血セットのクレンメを閉じた状態で、ろ過筒内に血液を満たす。

    濾過フィルターを完全に満たしていない場合、ろ過フィルター に血液の膜が空気に触れるため、血が固まる微小血塊がルート内に入るリスクがあります。

     

  8. 点滴筒を押しつぶし、半分まで血液を満たし、クレンメを徐々に緩めて先まで血液を導き、再びクレンメを確実に閉じる。

輸血実施

  1. 必要物品を確認した後に、バットに乗せて患者の所へ持っていく。
  2. 患者に輸血の目的を確認する。
  3. 開始前に排尿を済ませてもらい、安楽な体位で臥床してもらう。
  4. 患者の一般状態及びバイタルサインのチェックをし、血液型、名前を名乗ってもらい確認する
  5. 注射部位は安定できる位置を選び、18Gもしくは20Gの静脈留置針で、医師の指示の薬液(主に生理食塩水)でルートを確保する。

    血液製剤は単独投与が原則のため、血液製剤と他薬剤との混注は避けましょう(特にブドウ糖液、カルシウム剤など)

    薬剤混注をしてはいけない理由
    ① 薬剤によっては凝固や凝集、溶血、蛋白変性等をおこす
    ② 外観上変化が見られなくても品質が低下していることがある
    ③ 期待した輸血効果が得られないばかりでなく副作用の原因になることがあるやむを得ず同一ラインで輸血を行う場合は前後に生食10mlでルート内の薬液・血液を流しましょう
  6. 輸血開始後直後は15~20滴/分で滴下させ、輸血開始後少なくとも5分間は患者の側で状態を観察する。輸血開始から最初の約10分~15分間は輸血副作用を早期に発見できるようにできるだけゆっくり輸血(1分間に1ml程度)し、その後落ち着いていれば、1分間に5ml程度の速さで輸血する。
    輸血副作用が発生したら、直ちに輸血を中止し、医師に報告し適切な処置を行う
  7. ナースコールを患者の手の届く所に置き、何か異変があった時にはすぐにナースコールするよう伝える。
  8. 輸血終了時副作用がないか確認をした後に抜針し、止血の確認をする。
  9. 輸血終了実績入力をおこなう。
  10. 輸血済み製剤バッグは袋にいれ、伝票とともにできるだけ速やかに輸血管理室に返納する。
    返納の理由
    輸血後3日以内の発熱が発生した場合、輸血による原因か否かを明らかにするため

輸血による主な副作用

アレルギー反応 ~副作用の中では多くみられます~
蕁麻疹・全身発赤・掻痒感など

赤血球不適合輸血 ~副作用は直ちに出現し重篤です~
呼吸困難・血圧低下・発熱・冷感・意識消失など

感染症
梅毒・HIV・HCV・HBVなど

血液の細菌汚染 ~血液バッグ内に細菌が侵入したもの~
発熱・血圧低下・溶血など

白血球抗体、血小板抗体によるもの
発熱・悪寒・戦慄など

さいごに一言

入院されている患者さんに関しては、「なんか顔色悪いなあ」「ちょっと動いただけでしんどそう」等、日々観察していたら、ちょっとした変化に気付くことがあります。「貧血が進んでいるかも」と感じた時点で、まず私たちは採血データを確認し、看護計画を立案し、医師に突然「輸血いくよ!」と言われてもいいように準備が必要です。
輸血をいくには、まずクロスの提出が必要ですので、採血をした後なら、検査室にオーダーを追加できるか確認することも必要ですし、輸血の同意書の確認も必要です。
輸血を施行するときに焦ることのないよう、しっかり準備を整えて臨めたらいいですね。

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