手浴・足浴

看護技術
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手浴・足浴は、清潔を保つことはもちろん、コミュニケーションを図る場としても活用されます。爪が長いな~って感じたら、場合によっては爪を切りやすくする目的にも使用されます。また、全身清拭よりも負担が少ないので多く活用されています。患者の状態に応じた方法を選択しケアを組み込んでいきましょう。

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手浴・足浴の目的

  • 皮膚の表面に付着している汚れを除去して手や足を清潔にする
  • 末梢血管を刺激して血液循環を促進する
  • 末端の感覚器を刺激して爽快感をもたらす
  • 苦痛の緩和や安眠への援助をはかる

手浴

必要物品

洗面器 バケツ ピッチャー 湯(39℃~41℃) タオル バスタオル ボディソープまたは沐浴剤 防水シーツ 保湿剤(必要時) 爪きり(必要時) プラスチックエプロン 未滅菌手袋 檫式消毒用アルコール製剤

方法・留意点

準備

  1. 患者に手浴の必要性・方法を説明し、同意を得る
  2. 実施前に患者のバイタルサインの測定や全身状態の観察をする
  3. 作業スペースを確保する
  4. カーテンを閉め周囲から見えないようにし、羞恥心に配慮する
手が浮いている状態は患者に負担がかかり、無理な屈曲も患者に疼痛を与えてしまいます。 また、前腕などが洗面器の縁に当たる状況も避けねばなりません。 従って、手浴の場合は関節可動域に関するアセスメントをきちんと行っておくことが必要です。

実施

  1. プラスチックエプロンを装着し手指衛生後未滅菌手袋を装着する
  2. 寝衣を濡らさないようにできるだけ上腕まで巻き上げる
  3. 患者に安楽な体位をとってもらい、自然な手の位置に洗面器を置くスペースを空ける

    30度ぐらいのファーラー位にすると、手が自然に洗面器に入ります。仰臥位のままなら、クッションを肘に入れるなどで手が洗面器に入りやすいように調節しましょう

  4. 空けたスペースに防水シーツ、その上にバスタオルを敷き、湯を1/3~1/2程度入れた洗面器を置く
  5. 患者の手を洗面器の上に誘導し、洗面器の湯を手ですくってかけてみる。 湯の温度は適当か聞きながら、ゆっくり患者の手を浸す(指先から入れる)
  6. 湯がぬるいようなら、差し湯を行い、2分程度温める

    浸水時間が長すぎると皮膚がふやけて表皮が剥がれやすくなり、皮膚が傷つきやすくなるので注意しましょう。

  7. ボディソープを泡立てマッサージするように洗う
  8. かけ湯をしてすすぎ、タオルで指間まで十分に水分を拭き取る
  9. 洗面器の汚水をバケツに捨て、もう一方の手も同様の方法で行う
  10. 爪が伸びている場合は患者の了解を得て切って整え、必要時ハンドクリームを塗る
  11. 未滅菌手袋、プラスチックエプロンを外し手指衛生を行う
  12. 体位を元に戻し、寝衣・寝具を整え、使用物品を片付ける

観察・記録

  • 疲労感、爽快感、汚れの落ち具合
  • 皮膚の状態
  • 必要あればバイタルサインを測定する

足浴

必要物品

足浴用洗面器 ピッチャー大(熱めの湯50℃) ピッチャー(さし水用)  バスタオル タオル ボディソープまたは沐浴剤  防水シーツ 枕(必要時) 爪切り(必要時) バケツ(排水用) 保湿剤(必要時) プラスチックエプロン 未滅菌手袋 檫式消毒用アルコール製剤

方法・留意点

準備

  1. 患者に足浴の必要性・方法を説明し、同意を得る
  2. 実施前に患者のバイタルサインの測定や全身状態の観察をする
  3. 患者の安静度・ADLの状況を確認しベッドサイドでの端坐位や車椅子に移乗してもらう
  4. 作業スペースを確保する
  5. カーテンを閉め周囲から見えないようにし、羞恥心に配慮する

実施

  1. プラスチックエプロンと未滅菌手袋を装着する
  2. 掛け物を足元の方へ、十分引き下げるか、取り除く
  3. ベッドの高さを調整する
  4. 寝衣の裾を折り返し、膝上まで巻き上げる

    寝衣は、両膝をしっかり接してもらった状態で、裾が中表になるように緩みなく巻き上げると、寝衣がはだけにくく、下着も隠れやすいです。

  5. 患者の両膝を屈曲させる 自力で屈曲保持が不可能な場合は、膝下に枕などを挿入する

    膝下に枕を使用すると体位が安定し患者も安楽です。

  6. ベッドの足元にバスタオルと防水シーツを敷き、作業しやすいように物品を配置する
  7. 洗面器に40℃前後の湯を1/2程度(足の甲がつかるくらい)注ぎ、ベッドに置く
    糖尿病などで知覚麻痺や神経麻痺があると、熱さを訴えないものの、足浴後に熱傷様の発赤を認めることがある。そのため、熱傷予防のために、ぬるめの湯で実施する
  8. 踵などから少しずつかけ湯をし、湯の温度が適切かどうかを患者に確認しながら、患者の足をゆっくり湯につける
  9. 患者に下肢の安楽・安定性について確認する(安楽でない場合は、洗面器の位置を変えたり、膝下の枕を調整する)
  10. 足を湯の中で5分程度温める

    浸水時間が長すぎると皮膚がふやけて表皮が剥がれやすくなり、皮膚が傷つきやすくなるので注意しましょう

  11. ボディソープを泡立て、患者の足関節をしっかり支持しながら片足ずつ洗う(指間、足底、踝を洗う)

    足関節を支持しないと患者の負担になります

  12. 洗い終わったら洗面器から足を出して、かけ湯をしてすすぎ、タオルで指間まで十分に水分を拭き取る
  13. 洗面器の汚水をバケツに捨て、もう一方の足も同様の方法で行う
  14. 適宜、マッサージなどを行い、必要時クリームを塗る 必要時爪切りを実施する
  15. 寝衣を元の通りに戻してシワを除き掛け物を元に戻す
  16. 未滅菌手袋、プラスチックエプロンを外し手指衛生を行う
  17. ベッドの周囲の環境を元に戻し、使用物品を片付ける

観察・記録

  • 疲労感、爽快感、汚れの落ち具合
  • 皮膚の状態
  • 必要あればバイタルサインを測定する

 

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