小児のフィジカルアセスメント(特徴と第一印象とは)

看護教育
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子どもは、身体機能の未熟さのため、症状変化のスピードが速いことが特徴としてあげられます。また、症状の現れ方が非特異的であることや、言語・認知能力の未熟さゆえに自らの症状を的確に伝えられないことによって、急変予測が難しいこともあります。
そこで今回は、子どもの状態が「良い」のか「悪い」のか判断するポイントを確認していきましょう!

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子どもの特徴

★成長発達の途中である
年齢によって正常値が異なります。

★認知能力や言語能力が未熟である
的確に自分の身体的状態を表現できないため、機嫌や活気も全身症状のひとつになります

★生理的・解剖学的な予備力が少ない
症状が急激に変化します

★家族からの情報が重要である
ただし、子どもの症状と一致しないときがあります

以上のような特徴があるため「子どもをみるのは苦手」と思っている方もいると思います。そこで小児患者の示す兆候を私たちが見逃すことなくとらえるためのポイントについて確認したいと思います。

見た目の第一印象

子どもは見ず知らずの医療者が近づくだけでも恐怖を覚え、興奮して呼吸循環動態が悪化することがあります。激しく泣かれるとそれだけで病態評価は難しくなります。
そのため
少し離れた位置から、自分の目で見て、耳で聞き、子どもがどのような状態にいるかを迅速に判断する必要があります。

外観(みかけ)

外観では意識状態筋緊張をみます。
意識では全身や脳への酸素や栄養供給中枢神経系や脳の機能の適切さを評価します。
ここでの意識の評価は意識レベルの具体的な評価ではなく、第一印象から「意識なし」「意識清明」「意識レベルの低下」「易刺激性」を評価します。

呼吸

呼吸では第一印象から「気道」「酸素化」「換気」の適正さを評価します。呼吸仕事量と呼吸努力の二つの視点に着目します。

呼吸仕事量・・・呼吸に対するエネルギー量が増加または低下しているかを評価
・呼吸の速さや遅さ
・胸郭や腹部の動き(上がり下がりや左右差)

呼吸努力・・・不足した呼吸量を補うために、自然と酸素化や換気しやすい体位をとったり、安静時には使用しない呼吸筋を使用した変化を評価
・体位(三脚体位、首ふりなど)
・聴診器なしでの聴音(嗄声・喘鳴・呻吟など)
・陥没呼吸、鼻翼呼吸(鼻がピクピク)など

陥没呼吸で陥没する部分は、胸骨の上、鎖骨の上、肋間、みぞおちです。

「呼吸仕事量」と「呼吸努力」から、「呼吸の状態が悪そうか」「正常な呼吸かどうか」を判断していきます。

循環・皮膚色

皮膚色では第一印象から組織への循環や酸素化の適正さ、また発熱や毒物による敗血症やアナフィラキシーなどの分布異常を評価します。
「蒼白」「チアノーゼ」「まだら模様」を簡潔に評価します。

緊急性の判断

見た目の第一印象から緊急性を判断します。
「危急的」「具合が悪そう」「具合が良さそう」かを判断します。またその判断は「外観が悪いのか」「呼吸が悪いのか」「循環が悪いのか」それとも「すべてが悪いのか」を評価します。

「危急的」とは今すぐに対応や治療を要求されている状態であり、具体的には心肺停止、意識や反応がない、けいれん発作の持続など。このような場合にはすぐに応援を呼ぶ必要があります。

ちょっと一言

小児看護を行う上で、小児の特徴を知ることや、第一印象を判断することは、とても大切なことですが、「いつもと違う!」という判断は、ご両親(祖父母)が一番近くにいて気付くことが多いです。ご両親(祖父母)からの些細な情報を聞き逃さず、その子なりの特徴も考慮して判断していきましょう。

参考文献:小児看護、へるす出版、2014.3

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