看護研究の講評

看護研究
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はじめに

昨年度から開始した看護研究が、1~2月あたりで院内発表会を迎えるという時期に来ている方も多いと思います。院内の看護研究では、講評者は持ち回り制だったり、指名制であったり病院によって様々ですが、次年度の研究者が請け負うことが多いと察します。
今回は、その「講評」について困らないための知識を共有したいと思います。

 

「看護研究の講評をお願いします!!」と言われたら

 

まずは、「はい!喜んで!」と引き受けましょう!自分にとって必ずプラスになります。

 

講評のポイント

論評をするときは、ほめることと批判することが半々になるようにすると、ソフトな感じになります。特に批判する際は~の理由で、~のように変えるとどのような点が良くなるのではないか、というように具体的な改善策を提案(現実的なもの)すると研究者だけでなく、聞いている皆にも有益ですし、興味を持って聞いてもらえます。

あまりほめるところがない・・・という場合

テーマの選び方についてほめる!!

「業務改善に大きく貢献できる」「自分の病棟でも参考になる興味深いテーマである」「ケアの充実に役立つ」「実際の臨床に即した良いテーマである」などの言い回しでほめます。

 

論評は、研究方法にきちんとのっとってできているかを検証する作業です。

研究の本の項目にそってチェックすると漏れなく行えます。

また、講評を行う際に、3つの要素を必ず入れる必要があります。その3つの要素の中の1つでも抜けていると、ぼやけた講評になってしまうのです。

3つの要素とは、誉める、注文する、示唆するということです!

 

誉める

 

講評をする際には、まず最初に誉めることです。

研究発表者は、自分の研究に関して、何かしら恐れている部分をもっています。
その部分を痛烈に批判され、つつかれることを恐れています。

 

注文する

 

研究論文は、完全に仕上げたつもりでも、何か不足したり、欠けていたり、誤っていたりする部分があります。欠点を指摘して、批判するという態度をとると、せっかくの講評が台無しです。

物足りない不足している部分は、こうあってほしいと注文しましょう。

 

示唆する

 

注文しただけでは、ただ欠点を指摘したのと変わりありません。
「こうすれば解決できるはずですよ」という示唆をするのです。

そのためには、講評者自身が、いろいろな研究に取り組みさまざまな分野の知識をもっていなければならないことになります。

講評内容と視点

研究テーマ

研究テーマは適切であるか?

テーマは研究内容を表現しているか
タイトルが抽象的でないか
研究テーマと研究目的は関連しているか

はじめに

研究の背景は明確か?用語の定義はされているか?

研究の必要性や意義が、経験あるいは文献や理論に基づいて、わかりやすくまとめられているか
研究の未知・既知の内容がわかりやすくまとめてあるか

目的

研究の目的は明確であるか?

具体的にどのような問題解決を試みるのか、その意義は何かがわかりやすくまとめられているか
研究の新規性はあるか

研究方法

研究方法は適切か?

研究の対象は研究課題を解くのに適切であるか:アンケート→項目内容、回答者数など)
研究課題に対して選択された研究デザインは適切か
データ収集・分析方法は適切か
倫理的配慮はなされているか

結果

結果の内容は適切か?

研究課題・研究方法と一貫性があり、結果だけを述べられているか
方法で示した順序と「結果」の提示に齟齬はないか
図表は理解しやすいような形式にしているか
主観的なあるいは曖昧な意味の形容詞や副詞を使っていないか
方法や考察に書くべき事項が紛れていないか

考察

結果から考察が十分なされているか?

結果についての意見や意義を述べており、それは妥当か
他の研究結果との比較検討は十分あるか
研究結果から、どのような看護実践の改善に役立つかなど述べられているか
今後の研究課題への示唆がなされているか

結論

簡潔に記載してあるか?

研究目的で明らかにしたかったことが、明確になりその内容が簡潔に記載されているか
この研究で明らかになった新たな知見を簡潔にまとめているか

文献

文献は活用されているか?

研究課題に対して十分に活用できているか
参考・引用文献の記載は正しくできているか

発表態度

発表態度は適切であるか?

発表時間は守られていたか
声の大きさは十分か
音声・時間・道具の活用は適切か

おわりに

講評をするためには、自己の知識向上も必要であることを述べました。

「論文を構成する各部分の狙い」「文章表現の仕方」「句読点の活用法」「現代表記の方法」「統計学的処理の問題」など、学習することは山のようにあります。

筆者も講評の際は、論文を隅々まで読み、その都度調べて学習し望んでいます。
今後の看護研究に貢献できるよう、共に頑張りましょう!

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