育児世代
育児休暇は働く病院によって、取得できる規定や年数もかわる。3歳までは自分で育てたい、二人目を育休中に妊娠したい、すぐに託児所(保育所)に預けて働きたい、そのまま仕事を辞めて育児に専念したいなど、それぞれ思いは異なります。その理由には働かないと生活が困難な人もいれば、両親が子供を見てくれるからと自由な人もいる。
職場は育児時間の取得や託児所を設け、なんとか続けてもらいたいと考えているのが現状であるが、現場では子供が熱を出してすぐ休むし使い物にならない。という心ない人もいる。
たしかに、急に仕事を休まれては、残された人間がしんどい思いをするだろう。
これを、言葉に出すか出さないかで人間性は出てくるものである。
働く理由
私は1人目出産後、生後4か月で保育所に預け働いた。(二人目は生後2か月から)。賛否両論あったが、1つ目の理由は生活をするために働かないとやっていけなかったから。保育料は共働きなので当時の最高額(市によって違います)。給料から保育料を差し引いたら、何のために働いているのか分からなかったが。2つ目の理由は、職場に人が足りず、早くに復帰してあげたいという思いが私にあったこと。そして3つ目の理由は職場環境。病院によって取得状況が違うと言ったが、私が当時働いていた職場では、医療事務も薬剤師も、育児休暇を1年取る人はいなかった。反対に、1年とると白い目で見られていたくらいだ。私は初めての職場だったため、これが当たり前だと思っていた。
家事・育児・仕事との両立
育児と家事、仕事との両立。一生のうちでこの時期は一時のこと。どうせなら楽しんでこの時期を乗り越えていきたいと思っていた。しかし、私個人の努力だけでは乗り越えられないこともある。
育児はまったなし。仕事には決まりがある。自分で調整できるのは、家事くらいだった。
家事を全くしないわけにはいかないので、“家事の効率を上げて、そこで時間をかせぐ”ことに取り組んだ。掃除機は毎日じゃなくていい、子供の離乳食もまとめて作り冷凍するなど、無駄をはぶき、時間を確保する。そこで活用したのも、やはり先輩看護師だった。本当はコミュニケーションなんて取りたくない先輩看護師だったが、夜勤の時の家事のコツや、育児のコツなど、あらゆることを吸収させていただいた。これも自分を守る策。組織の中で生きていくのは本当にしんどいと思いながら、またイジメのターゲットにはなりたくなかったので、常に謙虚な姿勢を忘れず。
子供を保育所に預け、寂しい思いはあったが、迎えに行った時は喜びが勝る。私はこの時に一番幸せを感じるようになった。
自ら発信すること
子育てしながらの勤務は、精神的にきついことがたくさんあった。
一つ目に、子供の調子が悪く、夜寝てくれなかった時。
夜泣きや熱、昼夜逆転など、子供は思い通りに寝てくれない。その場合、睡眠不足でも私たちは職場へ向かう。職場に行けば、家庭でどんなことがあったとしても、皆同じように働く。
人は気になんかしてくれないし、こちらから言葉に出さない限り、聞いてくることもない。人に思いを知ってもらいたいと思うなら、自分から声を上げることも大切である。「今日は私寝不足で、ちょっと調子が悪いんです」その一言を伝えるだけで、その場で何も環境が変わらなかったとしても、もし次の日仕事を休むことになった時“ある程度予測できていたこと”に変わるからである。
お互い様
2つ目に、子供の急な発熱、感染症などで、仕事を休まなくてはならない時。
朝、職場に電話するのもドキドキだろう。何よりも、申し訳ない気持ちでいっぱいだろう。
電話を受けた相手が「はぁ・・・」などと言った時には本当につらい気持ちになる。私も何度も経験した。私はこんな時いつも思うことがあった。“この人が何かで休むことがあった時、どういう気持ちになるんだろう”ある意味楽しみだった。
子育て世代の人間は子供の病気で休むことがある。反対に、子育てを終えた人は、親の介護だったり、自身の持病だったりで休むことがある。それはお互い様だと思わないといけないことだと思っていた。
私はお休みの電話を受けるときは必ずこう伝えている「こっちは何とかなるから大丈夫だよ!」
お互いが気持ちよく働くためには私たちはどういう行動をとり、何を発信したらいいのか。
人は変えられないから、自分から変えていく。私は子育て世代を乗り越えてきたからこそ、今頑張っているみんなを応援したいと思う。
つづく
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