持続皮下注射

看護技術
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持続皮下注射をする場合、一般的によく用いられているのは“シリンジポンプタイプ”だと思います。利点としては、小さく携帯には最も便利流量設定変更が容易シリンジ装着可能で使い慣れた形態、といえます。欠点としては、容量が5~10mlと少なく薬剤の使用量が多くなると、頻回の交換が必要になる、ということです。ほかにもディスポ―ザブルタイプや輸液ポンプタイプもあります。看護をする上で大切となるのが、機械の作動確認です。定期的なチェックをし、チェックしたことを形に残すことが大切です。今回は基本的な手順を学んでいきましょう。

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目的

経口服薬が難しくなった患者に、安全・確実に薬剤投与が行え、症状緩和ができる

適応と禁忌

1. 適応

  • 内服が困難な場合
  • 身体的な理由等で坐薬の挿入が困難な場合
  • 疼痛の急激な増悪により、早期に除痛が必要な場合
  • 静脈ラインの確保が難しく、側管からの点滴が多い場合

2. 禁忌

  • 浮腫などで皮下からの吸収が低下している場合
  • 穿刺予定部位に皮膚の異常がある場合

必要物品

24Gプラスチック留置針、18G注射針、消毒綿、延長チューブ100mm1本50mm1本(100mm2本)、フィルムドレッシング剤、固定用テープ、注射シリンジ5~50ml(ロック付)、使用ポンプ、使用薬剤

方法と留意点

準備

  1. 医師から患者・家族に持続皮下注射で投与する薬剤の使用目的が説明され、同意が得られていることを確認する。
  2. 医師から麻薬処方箋を受け取り、薬局で注射伝票を発行してもらい、薬剤を受領する。

    医療用麻薬の場合、麻薬処方箋だけでは希釈方法が把握できないため、必ず注射伝表も発行してもらい薬剤の受領を行いましょう

  3. 看護師2名で注射伝票、麻薬処方箋を確認しシリンジに吸い上げを行う。(6R確認を行う)
    使用中の麻薬の箱は返納せず、病棟管理しておく。(麻薬は金庫管理です)

    麻薬処方箋は返納伝票も兼ねているので、薬剤更新するまでは病棟で保管しましょう。

  4. 電源を入れ作動確認を行いポンプへのシリンジのセッティングを行う。プライミングを行い延長チューブの先まで薬液を満たしておく。延長チューブの長さは1m50cmもしくは2mとする。
  5. 医師に準備ができたことを伝え、患者のもとに必要物品持参し、訪室する。

    開始時に医師が同席することが、患者家族の安心感や治療における満足感のためにも望ましく、医療者にとっては医療用麻薬投与量の最終確認の意味でも大切です。

実施

  1. 投与量は医師とも最終確認を行う。患者認証を行う。
  2.  医師により患者にとって適切な場所を選択し、皮下注射を行う。持続皮下注射の部位としては前胸部、腹部、大腿部が一般的である。

    腹水貯留等で腹部が難しい場合や自己抜針のリスクがある場合は大腿部への穿刺を選択します。(体動への影響は比較的うけにくいため)

    患者にとって身体の動きの影響を受けにくい針の刺入方向
    患者が起き上がれる場合→側腹部から臍部(中心)
    患者が上肢や上半身の動きが多い場合→前胸部下から上
    患者が寝たきりで体位変換が必要な場合→腹部下から上

  3. 針と延長チューブを接続する。
  4. 穿刺部は、フィルムドレッシング剤貼付し、穿刺部の皮膚の観察ができるようにする。
    また、延長チューブにループを作りしっかりと固定し、ゆとりのある長さにする。
  5. 指示量で開始する。
  6. 穿刺部の発赤、腫脹に注意し観察を行う。
    患者の体動により針の痛みを訴えることがあれば、適宜差し替えを行う。発赤等なければ、1週間に1回の差し替えを目安にする。
  7. 患者への注意事項の説明を行う。
    ① 痛み止めが少量ずつ皮下から24時間持続的に注射していること
    ② 針を自分で触ったり、抜かないこと
    ③ 穿刺部の痛みがあれば、看護師に教えてほしいこと
    ④ レスキューは注射の早送り(フラッシュ)で対応すること
    ⑤ PCAボタンを使用する場合は、使用方法について説明する

観察・評価・記録

  1. 薬剤開始後の意識レベル、呼吸状態には特に注意する

    医療用麻薬過量投与による呼吸抑制が起こるリスクがあるため、呼吸数の観察は重要です!

  2. 留置針の穿刺部位、投与薬剤名、投与開始時間を記録する。
  3. 早送り(フラッシュ)した時間は記録する。
  4. NRSや患者の反応、日常生活動作の変化等で痛みの評価を行い、記録する。
医療用麻薬の投与量の評価として、レスキュー使用回数やNRSの変化、患者の反応等で、増量検討するため看護師の記録が、症状コントロールには重要である。

注意事項

薬剤の希釈方法が変更になった場合
①ルート内の薬剤が残っているので、新たに差し替えを行い、ルートすべてを変えること
②使用していたものは、ルートごと薬局に返納する。

ルート内に濃度の違う薬剤が残っているため、シリンジを変えただけで投与量の変更を行った場合、適切な量の薬剤が投与されず、患者に不利益を生じてしまいます。

薬剤投与が中止となった場合
患者からすみやかに抜針し、ルートごと薬局に返納する。

ちょっと一言

持続皮下注射を開始する人で多いのは、絶飲食中の患者さんやーミナルの患者さんです。今回麻薬を使用する流れで説明しましたが、使用薬剤は麻薬だけではありません。ですので、レスキュー(フラッシュ)を全く使わないこともあります。また、麻薬使用の場合は、持続皮下中だけでなく、フェントステープなどの貼付麻薬を併用されていることもよくあります。
その患者さんが、何の目的で、何のために持続皮下注射をしているのか、きちんとアセスメントしてかかわっていけるよう応援しています!

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