院内教育とは

看護教育
スポンサーリンク

看護師になった時、みなさんはどのような教育を受けましたか?「見て覚える」という時代はもう過ぎてしまいました。部署内研修だったり、集合研修だったり、あるいは他施設へ行って合同研修をする場合もあります。最近ではEラーニングも利用されていますね。
ではなぜ院内教育は必要なのでしょうか?今回は教育の基礎を学んでいきましょう。

スポンサーリンク

院内教育はなぜ必要なのか

私たちが看護職として働くうえで基盤となるのが、日本看護協会の看護者の倫理綱領です。

日本看護協会 看護者の倫理綱領
病院、地域、学校、教育・研究機関、行政機関など、あらゆる場で 実践を行う看護者を対象とした行動指針であり、自己の実践を振り返る際の基盤を提供するもの
条文8
看護者は、常に個人の責任として継続学習による能力の維持、向上に努める
条文11看護者は、研究や実践を通して、専門的知識・技術の創造と開発に努め、看護学の発展に寄与する

条文8には・・・
多様化する人々の健康上のニーズに対応していくためには、 高い教養や高度な専門的能力が要求されます。このような要求に応えるため、計画的に専門職業人としての研鑽に励み、 能力の維持・開発に努めることが、看護者自らの責任ならびに責務である。
ということが条文8には書かれています。
条文11には・・・
看護者は常に、研究や実践等で得られた最新の知見を活用して、看護を実践するとともに、 より質の高い看護が提供できるよう、新たな専門的知識・技術の開発に最善を尽くすと書かれています。

まさに、この二つの行動指針院内教育の必要性を示しています!

 

院内教育の意義

院内教育の意義は、組織の一員である看護職者が看護専門職としての責務を遂行するために必要な力を獲得・維持・向上するとともに、看護職者の学習への要望を充足することへの支援を目的とし、病院の教育担当者が企画・実施する教育活動である。

「①看護専門職としての責務を遂行するために必要な力を獲得・維持・向上」を
教育ニードという
「②看護職者の学習への要望を充足することへの支援」を
学習ニードという

では教育ニードとは何でしょうか?
教育ニードとは、「望ましい状態と現状の間にある乖離であり、乖離のある看護職者が看護専門職としての望ましい状態に近づくための教育の必要性」といえます。ちょっと難しいですね。
すなわち、今の現状と望ましい状態の間が「教育ニード」で、その現状から望ましい状態へ近づけていくことをいいます。
学習ニードとは「学習者の興味・関心、もしくは、学習者が目標達成に必要であると感じている知識・技能・態度」と言えます。これらは学習経験によって、充足または獲得可能となります

以上の事より、院内教育とは、
教育ニードと学習ニードの充足であるということが言えます。

院内教育の対象となる看護師の特徴を理解する

院内教育の対象となる看護師の特徴

①看護基礎教育課程を修了し、保健師助産師看護師法による免許を受けている
成人学習者である

院内教育をする上で、学校で習った内容まで入っていないか?例えば清潔・不潔は知っているはず。ならばそこは事前に復習という形で達成してもらうなどの工夫が必要となります。

成人学習者の特徴

  1. 学習者としての自己概念が、依存的パーソナリティから脱皮し、自己管理性を増大する方向へと変化する。

    依存的パーソナリティというのは、他者への心理的依存が強く、何事も一人ではできないということで、子供の状態から脱皮するという考え方です。

  2. 経験を自他の豊かな学習資源とする。
  3. 学習へのレディネスが、生活課題や生活問題から発達する。

    学習へのレディネスとは、学習する準備ができて いる状態のことで、効果的な学習を考える上で大切な概念のことです。成人学習者は、そのレディネスが生活している中で形成されるということです。

  4. 学習へのオリエンテーションが、学科中心から生活上の課題や問題中心へと変化する。
  5. 学習への動機づけにおいて、外部から与えられる報酬や処罰よりも内発的な要因がより重要となる。

    外部から与えられる報酬や処罰というのは、お母さんに褒められるからするとか、先生に怒られるからするとかのことで、それよりも、内発的な要因、学びたいから学ぶ、ということが重要ということです。

     

     

 

以上の事より、院内教育の対象者には「学びたいと思える研修を企画すること、学びたいと思える導入が必要」ということがわかります。

病院の看護師が魅力的だと感じる院内教育プログラムの10要因

  1. 日々の業務を改善し、所属施設および看護単位の看護の質向上につながる
  2. 学習内容の理解が進むように授業の構成や方法が工夫されている
  3. 意欲的・自立的に、そして楽しく学ぶことができる
  4. 対象者が限定されず、自己査定に基づき自由に受講できる
  5. 職業的発達・能力開発につながる
  6. 時期・期間・回数が適切であり、受講時間が確約されている
  7. 院外の著名な講師、看護以外の講師が担当する
  8. 職員が必ず持つべき知識を学習内容に含む
  9. 興味と一致した内容を計画的に学習していくことができる
  10. ストレス解消法など看護学以外の学習内容を含む

    これは、研究によって得られたデータで、研究成果を活用することは院内教育を提供するときの根拠となります。

教育目標設定における留意点を理解する

目標の設定

教育目標
教育目標とは、教育という行為もしくは実践において、教育する側が教育を受ける側に実現しようとする価値をいいます。すなわち、
目標の設定は、研修が終わったときに、研修生にどうなっていてほしいかを考えて設定します。
そのためには、研修が終わったときに、研修目標が達成できる内容を設定していくことが大切です

一般目標
一般目標は「目的」という表現になります。
・期待される学習効果を包括的に表現する。
学習者を主語にして、何のためにどのような能力を習得するかを包括的に示すもの。

行動目標
一般目標(目的)を達成するための行動目標は、
学習者が一般目標を達成した時の状態を外部から観察可能な行動によって表現します。
この行動目標化は、教育の成果を客観的な評価につなげることができます。

教育目標分類学(タキソノミー)

教育目標分類学(タキソノミー)とは、「教育において達成されるべき目標の全体を認知領域、精神運動領域、情意領域の3領域に分け、それぞれの領域ごとに目標系列をあきらかにしたもの」です

認知領域
知識の習得と理解及び知的諸能力の発達に関わる目標
知識:解剖や疾患について覚えて再生できる。用語を定義する。正常値や基本的なこと
理解:分かるようにこと。記述し説明する能力。
応用:情報の活用や知識を用いる能力。学んだ知識を臨床で使ってみる。
分析:分析し関連を明らかにする。関連図のようなもの
総合:作り上げる能力。看護計画を立案する。
評価:価値や判断。看護計画を評価する。

精神運動領域
手先の技能や運動技能に関わる目標
模倣:まねる。ビデオ見たりデモストを見て、同じようにやってできるレベル
操作:模倣ではなく、設定された手順に従って患者の採決を行う。
精確化:正確に技術を実施。時間がかかっても正確にできる。
分節化:適切な時間枠の中で実施できる。
自然化:熟成度が高い。観察しながら技術を行う。

情意領域
興味や態度・価値観の形式と正しい判断力や適応性の発達に関わる目標
受容:必要性に気付いている。大切だと思う?うん。
反応:状況に気付き反応すること。話し合ってみてください→話し合う。
価値づけ:価値の内在化。大切だと思う?→絶対大切(内在化できている)
価値の組織化:医療者としての態度など広い視野で考え意見を述べる。
価値の個性化:考えることなく医療者として確固とした価値観を持ち自然にふるまえる。

院内教育プログラム及び看護実践は、この3つの領域の目標が統合により成立します。

 

目標の記述

4つの留意点

1目標には1つの行動のみを含むよう目標を設定する。
・その目標の実現可能性を十分考慮する。
学習成果としての行動を表現する。
単純から複雑へという学習の原理原則を遵守する

さいごに

今回は、研修企画書を作成する際に参考になるような記事を書きました。
新人教育、ラダー研修、フォローアップ研修、プリセプター研修 等、毎年同じ研修のように見えますが、対象も違えばレディネスも違うため、研修担当者は企画に頭を悩ましていると思います。
「どうなってほしいか」を考え、学んでよかったと思えるような企画で研修を開催していきましょう。アイスブレイクも上手に取り入れて頑張ってくださいね。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました